表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
お笑いコンビ・オードリーのツッコミである
若林 正恭(わかばやし まさやす)の書き下ろし、
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」(KADOKAWA)。
航空券予約サイトで見つけた、たった1席の空席。
何者かに背中を押されたかのように2016年夏、ひとりキューバへと旅立った。
慣れない葉巻をくわえ、芸人としてカストロの演説に想いを馳せる。
(作品帯より引用。)
キューバに行くまでの経緯から、
現地で見て感じた景色や人間に対する感情が
ただのお笑い芸人としては括り切れない表現力で書かれていると感じました。
さすが読書芸人。
やっぱり本をたくさん読んでる人の言い回しや語彙は違います。
物語は行った場所や食事などの出来事を中心に進んで行きます。
そして終盤、ある風景から若林さん自身のパーソナルな話へ。
どうしてキューバだったのか。どうしてひとりで行ったのか。
私もある部分で同じ体験をしたことがあるので泣きそうになりました。
出ているバラエティ番組を見ているだけではほぼ見えて来ない個人の話。
(しくじり先生で少し喋っていましたが。)
本人も「番組に出ているのは違う自分で、本当の自分じゃない」と語っています。
お笑い芸人としての若林さんも大好きなのですが、この本を読んでよかったです。
文字で表現することで現れてくるもう一人の、若林さん。